こんにちは!占い師の光子です。
昨日の浅草での鑑定で、そろそろ店じまいという時間の頃に、一人の杖をついたおじいさんが通りかかりました。
たくさん歩いたのか、とってもおぼつかない足取り。さらには道に迷ってしまったそうで、道を聞かれました。
道をお伝えしながら、しばしお話しさせていただいたのですが、
「座って休憩した方がよさそうだなぁ」
と思いつつも、鑑定のお客様とは線引きをしなくちゃなと、席を勧められずに私はまごまごしていました。
するとおじいさんが、
「だいぶ話しちゃったし、お金払うよ」
とおっしゃるではないですか。
「ええー?!それなら、掛けてくださいよ!座ってお話ししましょうよ!」
とやっと席を勧められる状況になり、ほっと一安心。
奥様がタロットが好きだったとかで、お話ししながら、結局カードも軽く引きつつ。
お話が上手な方だったのもあったのでしょう、若い頃の苦労された話や、生死を彷徨う病床で見た勢至菩薩さまのお話など、いくらでも聞いていたいくらい、面白いお話を伺いました。
私の方も、普段鑑定では話さないようなお話も、
「この方には話しても大丈夫そうかな」
ということで、思わずお話ししました。
例えば、母を迎えに来た光の話や、その時に知った
「私はあなたであって、あなたは私でもある。だから人に親切にするのは自分に優しくするのと同じ」
という魂の在り方の話などです。
「宗教は嫌いだから」
といいつつも、守り本尊様を大切にしてきたおじいさんの(あと、カードを見る限り、ご加護を厚く受けてそうな)御神仏との関りを感じて、
「私、占い師ですね。でも本当は占い師ってより、神様と話す人ってほうが、メインというか、自分ではしっくりくるんですよ」
と『神様と作った四神タロット』ができた成り立ちの話なども話していました。
車に乗る仕事をしてきたこともあり、電車は不慣れでほとんど乗ったことがないおじいさん。
閉店時間を過ぎたこともあり、そしておじいさんの向かう先が私の帰り道の途中だったのもあって、あろうことか、一緒に電車に乗ることにしてしまいました。
「片づけるので、それまで座っててくださいね!椅子は最後に片づけるので」
ということで、片づけつつ、お話ししつつ、休憩してもらいます。
本当は浅草で一泊と考えていたそうなのですが、子ども時代を過ごした町まで行って、そこで一泊と、私と話しながら予定を変更していました。
自分で食べようと買ったであろう、和菓子も
「子どもとお父さんと食べな」
とくださって…
一緒に浅草駅まで行って、電車に乗りました。
電車で立っていても
「大丈夫だよ!」
とおっしゃるものの、やっぱり歩調はゆっくりで、ご本人の勢いほどには歩くことは簡単なことではないよう。
夕方の都会の慌ただしい人波に、おじいさんがひとりきりにならなくてよかったと、ちょぴり安堵しました。
上野駅に行くのは、実に50数年ぶりとのこと。
その時は、田舎に帰ってしまった恋人を、上野から追いかけて列車に乗った話を聞きました。
「ほら、壁画あるでしょ。大きな壁画。アラビア調の」
とおじいさんは言うのですが、私は
「えー、壁画なんてあったかなぁ?今もあるのかな?」
と全然ピンと来ません。
銀座線から上野の中央改札にあがってくると…
確かに、改札の上には大きな壁画がありました。
「ああ!あれだよ!もっと大きいと思ったんだけどねぇ」
とのこと。
今まで何度も通ったけど、私は一度も壁画に気づかず…
おじいさんと来なければ、気づいて見ることもなかったでしょう。
上野の駅の変わったところ、同じところ。
天上が低いところは同じみたいだけど
「エスカレーターはなかったねぇ」
と。(そりゃそうだ!)
車内で歩数を確認すると、なんと1万3千歩以上!!
杖ついてても、そんなに歩けるんですね…!
電車に慣れないおじいさんは、車内でも声大きめ。
「ちょっと声大きいかも。みんな見てますよ!」
と小声でお伝えしたら
「そうかぁ?平気だよ!!」
と言いつつも、そこからは音量控えめに。
でも歌は歌ってました(^^;)
(これが、ものすごく上手かったです!!歌っていい場所で聞きたかったです!)
「でもあれだね、ご縁ってわからないね。道に迷わなければ、あの道を通ることもなかったから、お姉さんにも出会わなかったよ」
「本当に、見えない世界のことってあるんだなぁ」
など、ひとしきり、身の上話や見えない世界のことを話した中でも、とても印象に残った言葉がありました。
明日乗る電車の乗り換えをメモにしたりするうちに、とうとうおじいさんの降りる駅に。
「〇〇と反対側ですよ!」
と声をかけつつ、ホームに降り立ったおじいさんの背中は、お話の勢いよりずっと頼りなげに小さく見えました。
今日になっても、
「おじいさん、どうしてるかな。電車乗れたかな」
と私は何度も思って、思い出していました。
一期一会の出会いの時、お会いした人が、必ずしも人間じゃないかもしれない、といつも私は思うんですね。
観音様がいろんな姿になって現れる、というあれです。
いい出会いも、そうでない出会いも、人ではなかったかもしれない、と思うのが、私の常なのです。
おじいさんは普通に人間だろうと思って、接していましたし、ぶっちゃけおじいさんが人間でも観音様でも、どっちでもいいんです。
観音様だったら、今日は電車乗ってないかも(^^;)
おじいさんが乗れたか気になるくらいだから、おじいさんを人だったと思っていたのですが、今日になって、
「???もしや?」
と思いました。
10月13日は、私にとってちょっとすごい日で…
まず、結婚記念日。(別れたけどw)
脳脊髄液減少症を発病した日。(3年前)
そして、子どもたちのひいおばあちゃんの命日です。
おじいさん、勢至菩薩さまを大切にされていて、清澄白河の勢至菩薩さまにご挨拶に行った足で、浅草にいらしていました。
帰ってきて勢至菩薩さまを調べていたら…
【十三仏の一周忌本尊】って書いてあるじゃないの…
そうなんです、一周忌だったんです…。
いや、偶然かもしれんけどね??
できすぎでは?
そしておじいさんとの出会いを機に
「もうー!できないかもー(T_T)」
と半べそ状態だった、四神タロットの小アルカナにも、ブレイクスルーが!
(神様にも『1回忘れなさい』と言われるレベルの煮詰まり様でした)
おじいさんは、人間だったのかな、仏様だったのかな…
おじいさん、また会いたいです。
あきらちゃんって呼んでっていうの、とても可愛かったです。
(しかも本名じゃないww)
忘れたくない出会い、書いておきたくて、ここに書きました。
お付き合い、ありがとうございました(^^)
あなたの毎日が
今以上に素敵なものとなりますように。
光子でした。