こんにちは。占い師の光子です。
タロットって何のために引くでしょう?
タロットを引くと結局何ができるのでしょうね?
写真をご覧ください。
この図は臨床心理士さんに教えてもらった、認知行動療法のモデル図です。
外からの刺激が加わると、〈認知・思考〉〈気分・感情〉〈体の感覚・反応〉〈行動〉が、互いに影響しながら反応します。
例を挙げますね。
精一杯やった仕事だったのに、上司から厳しい指摘を受けたとしましょう。
すると、「すごくがんばったのに、全く評価してくれなかった」「こんなに厳しく言うなんて、私のことが嫌いなのだろう」と〈認知・思考〉が働きます。
同時に「悲しい」「悔しい」「腹立たしい」など〈気分・感情〉が動きます。
「涙が出る」「胸が苦しい」「ご飯が食べられなくなる」などの〈体の感覚・反応〉が起こります。
そして、「上司を攻撃する」「仕事を休む」などの〈行動〉が起きます。
ここで質問です!
〈認知・思考〉〈気分・感情〉〈体の感覚・反応〉〈行動〉のうち、変えることができるのはどれでしょう? ※2つあります。
〈気分・感情〉と〈体の感覚・反応〉は、自然に沸き起こることなので、変えるのは難しいですね。
しかし〈認知・思考〉と〈行動〉は変えられます。
〈認知・思考〉を変えるとは、「思考パターンを変える・思い込みを変える」とも言えるでしょう。
認知行動療法は「認知のゆがみ」を見つけ、ゆがみを変えたり小さくすることを目指すそうです。
「認知のゆがみ」とは、必要以上にストレスを強く感じてしまう、思考パターンや固定観念、思い込みのことのようです。
「認知のゆがみ」が軽減されて、〈認知・思考〉が変われば、4つの項目は互いに関係するので、コントロールが難しい〈気分・感情〉〈体の感覚・反応〉も、結果的に変えられるということです。
※認知のゆがみ、という言葉は近年はあまり使わないみたいです。多かれ少なかれ、誰でも認知がずれている、という認識になってきたようです。
先ほどの例でいえば「こんなに厳しく言うなんて、私のことが嫌いなのだろう」すなわち『上司は私が嫌い』というのは、思い込みの可能性がありますね。
代わりに「悔しいけど、私がもっとよい仕事ができるように、上司は言ってくれているんだ」という〈認知・思考〉であれば、〈気分・感情〉〈体の感覚・反応〉〈行動〉も、変わってきます。
そしてタロット占いでやっていることも〈認知・思考〉と〈行動〉を変化させることだと、私は考えています。
カードを通して自分の状況や心情を客観視することも、〈認知・思考〉を変える助けになると思いますが、何よりも変化を助けるのは、アドバイスのカードです。
例えば、
「パートナーと向き合いましょう」
「理不尽な負けをするのに、まだ戦おうとしていることに気がついて」
「周りの状況に感情を揺さぶられない大人になりましょう」
これらのアドバイス、どれも〈認知・思考〉や〈行動〉を変化させるメッセージだと思いませんか?
カップの2「パートナーと向き合いましょう」は〈行動〉ですね。
ソードの5「理不尽な負けをするのに、まだ戦おうとしていることに気がついて」は、〈認知・思考〉です。一見〈行動〉にも見えますが、気がつくことが目的なので、行動については言及していません。気がつくだけでいいのです。
カップのキング「周りの状況に感情を揺さぶられない大人になりましょう」は、気がついた上で変わらなければならないので、〈認知・思考〉と〈行動〉の両方と言えるでしょう。
このように心理学と占い、分野は違えど「同じようなことをしているんだな」と思うのです。
認知行動療法は、ワークを通して認知や行動を変えていくようですが、タロットはそのものズバリ、今の相談者さんへの必要なアドバイス、という形で〈認知・思考〉や〈行動〉に働きかけます。
神秘的で不思議なかんじがするタロットですが、やっていることは案外シンプルです。
あなたの毎日が、今以上に素敵なものとなりますように。
光子でした。
おまけ
アドバイスのカードは自分の頭の中に全くない、新しい発想をくれることが多い、と自己リーディングをすると、たびたび思います。
鑑定中も自分の頭の中にない発想なので、一瞬ぽかーんとする方もいらっしゃいます。私もたびたび「そう来たか。その発想はなかったわ」と思いますし、時には想像を大きく越えてくるので、めくった瞬間にぽかーんとします。